グループホームの仕事とは?認知症の入居者様への対応はどうすれば?

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グループホームの仕事とは?認知症の入居者様への対応はどうすれば?

少人数で家庭的な共同生活を送れることが特徴のグループホーム。興味はあるものの、「認知症」をお持ちの入居者様にどう接すれば良いのか?などの不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、グループホーム笑楽庵にて介護主任を務める村上さんに、グループホームの仕事の内容ややりがいについてお聞きしました。

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利用者様の生活力を尊重し、我が家のような空間をつくりたい

ーグループホームでは、普段どのようなお仕事をされているのでしょうか?
入居者様が、普通の家庭で過ごすように生活していただけるようサポートさせていただいています。例えばお食事や入浴などですね。基本的には危険がないよう見守りをしていますが、症状が進むと食事の仕方が分からない、という方も出てきますので、その場合は介助をさせていただいています。
こういった施設ですとどうしても「お世話をする」というイメージが強いと思いますが、「できることはお手伝いしていただく」ということが大事です。食事の準備で温め直しをお願いしたり、誰が使っているお茶碗かを教えていただいたり、お食事を下げていただいたり。できないことを探すのではなく、できることを探してさしあげるようにしています。やはりどんな方でも、自分が役に立っていると感じるときに生きがいを感じると思いますので。

ただ入居者様に動いていただくと、怪我などのリスクはどうしても高まります。ですから職員はプロとして危険がないか見守ることが求められます。床が濡れているのであれば「滑って転ばないよう座っていていただこう」ではなく、「転ばないように床を拭いておこう」というように。しかし怪我をゼロにすることは不可能ですので、ご家族に対しては、ADLの低下など動かないことによって生じるデメリットを事前にご説明いたします。そしてもし実際にけがをしてしまった際には、当時の状況と対応についてきちんとお話しし、納得いただいています。

ー仕事に対してどのようなやりがいを感じていますか?
やはり少人数制ということで、1人ひとりの入居者様と密に向き合えるということ、そして入居者様が安心して生活を送れる場所を提供できることですね。
この施設では「帰りたい」と訴える方がいらっしゃらないんです。これはグループホームではとても珍しいことだと思います。入居したばかりの頃はどうしても皆さん自宅に戻りたがるので、夕方になると「家に帰る」とおっしゃるんですが、だんだんその症状が無くなってくるんですね。それは「ここが家なんだ」と認めてくださっている証拠だと思うんです。そう思っていただけるよう、私たちは入居者様の満足度をあげることを常に考えています。嫌な場所からは誰だって逃げたいと思いますから。
例えば「帰りたい」という訴えがまだ残っている方であれば、徹底的につきあい、できるだけご本人が希望される場所にお連れしますし、食べたい物があればできる限りご要望に応えるようにしています。
あとは先程「できるだけお手伝いしていただく」とお話ししましたが、やはり自分の居場所を持つという意味でも「頼られている」と感じていただくことがとても重要です。例えば背の高い方であれば上に置いたものを取っていただいたり、男性であればキャップをとっていただいたり、小さいことでも良いのでできるだけお声をかけるようにしています。今では入居者様同士で「お盆下げてもらえますか」や「ここ拭いておきますね」など協力しあう光景も見られるんですよ。

認知症だから特別ということはない、人と人との対応を

ー認知症というと対応が難しいというイメージがありますが、どう感じていますか?
記憶障害などの中核症状は認知症であればどなたでも起こってしまいますが、徘徊や暴力、失禁等の周辺症状は職員の対応である程度抑えられると思います。例えばいつも失禁してしまう利用者様がいらっしゃったとして、その方をよく観察して「失禁する前に「水」や「2階」という言葉を発している」と気づくことができれば、「2階にあるトイレに行きたいということなのかも」と分かるので、失禁前にトイレにお連れできるようになるんです。認知症の方は言いたいことをしっかり訴えられない方が多く体で表現するしかないので、職員が隠れたメッセージをしっかり受け止める必要があります。

介護というのはコミュニケーション、「心」が大事だと思います。相手のことを考えて相手が喜ぶことをする。自分のことだけを考えるのでなく、相手のことを考えた行動をとる。そうすれば認知症の方でも私たちと同じ感情をお持ちですから、受け入れてくれるようになると思います。そもそも認知症というのは、「転んで骨折したら腕が動かなくなった」というのと同じで、「脳の特定の部位が病気になり記憶に障害がでてしまった」というだけの話なんです。記憶に残らないというだけで、その時々の感情、思いというのはお持ちになっています。認知症だからと構えず、「人と人との信頼関係」をつくるイメージで接すると良いのではないでしょうか。

プロフィール画像 プロフィール

村上 稔恵( グループホーム笑楽庵 介護主任)祖母が老人病院に入院したことをきっかけにヘルパーの仕事に興味を持ち、ITという全くの畑違いの業界から介護の世界に飛び込んで16年目。現在はグループホーム笑楽庵にて介護主任を勤める。「入居者様に1日1日を楽しく過ごしていただく」ことをモットーに、1人ひとりと密に向き合う介護を大切にしている。

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