介護の仕事をしていると高齢者のご家族と関わるのは非常に重要な業務になります。ここでは、ご家族とどのように関わっていけば良いのか、どうすれば信頼関係を築くことができるのかなどのポイントについてご紹介していきます。
ご家族が信頼してくれれば質の高い介護が可能に
なぜご家族との信頼関係が大事なのか、それは質の高い介護を提供するためです。介護をしていると物品の購入を家族に依頼をしたり、必要であれば家族の協力も仰がなければいけません。 その際に、ご家族との関係性が悪い場合では、意見が通らなかったり、ご家族の協力を得れなかったりします。そういったことを防ぐためにも日頃からご家族との関わり方には注意し、できるだけ信頼関係を築いておきましょう。
ご家族の気持ちに寄りそい、苦労をいたわろう
介護職は高齢者を介護する立場にありますが、24時間365日高齢者と関わっているわけではありません。訪問であれば関わるのは週に数回といったところですし、施設であればシフトで動いているでしょう。
それに対して、在宅で介護されているご家族は高齢者と24時間365日ともに生活をしていますし、施設に入所させているご家族の中には、施設に入れてしまい後ろめたい気持ちを持っている場合も多いです。
そのため、ご家族は介護職ではなかなか気づけないようなストレスを抱えており、自分の苦労を誰かに理解をしてほしい気持ちを少なからず持っていることがあります。
職員は、そういった気持ちに寄り添うとご家族との信頼関係が築きやすくなります。
実際の関わり例と、やってはいけないこと
それでは具体的にどのように関わっていけばよいのでしょうか?実際の声掛け例と、注意点をご紹介します。
声掛け例
・(ご家族の様子が疲れていれば)「最近お忙しいですか?無理せずに私たちができることがあればおっしゃってくださいね。」
・(施設に頻繁に面会に来たご家族に対して)「毎日お忙しい中来ていただきありがとうございます、お体には気を付けてくださいね」
・(訪問介護で伺った時)「最近お変わりないですか?ご家族の方が体を壊してはいけないので、息抜きをしてくださいね」
といったようにご家族の体調や精神面をケアするのも介護者として、非常に大切なことですので気づいた時には積極的に声かけをしましょう。
声掛けの注意点
専門的な言葉はできるだけ使わない
ご家族と関わる際に気を付けてもらいたいのは、介護職が使う専門用語などは使わないようにするということです。介護保険が身近になって年数がたちますが、まだまだ認知されていないことが多くあります。
私たちが当たり前のように使っている言葉もご家族からしてみれば通じないことが多いのです。例えば、褥瘡やADLなどといった言葉を知らない方もいます。高齢者の様子を報告する際などはできるだけ分かりやすい言葉を使うようにしましょう。
ご家族は介護職は忙しいイメージを持っている方が大半です。そのため、聞き返すことをためらってしまう場合もあり分からないまま返事をしてしまうこともあり、それが後々トラブルに繋がってしまいがちです。
褥瘡=床ずれ ADL=生活する上での動作 などといったように伝わりやすい言葉に変換をして報告をしましょう。
「お変わりないです」は使わない
介護の仕事をしているとご家族から最近の様子を聞かれることがあります。特に施設で仕事をしている場合は、そのようなケースが多いのではないでしょうか。 その際にはできるだけ「お変わりないです」という言葉は使わないように心がけておきましょう。無難な返事ですが、ご家族からしてみれば何も見てくれていないのではと思ってしまうことがあります。 本当に変化が無くても、日頃の会話をしたことなどでも良いですし、食事をどれぐらい食べていたのかなどの小さなことでも問題ありません。具体的な内容を説明するとご家族からしてみれば「よく見てもらえている」と思われ、良い関係が築きやすいです。
Kokko0320介護福祉士、社会福祉士、ケアマネージャー資格を持ち、施設、在宅問わず幅広い介護に携わってきました。介護の情報を分かりやすく皆様にお伝えできれば幸いです。
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