介護職経験者166名に、介護の仕事を「長く続けられない」と感じることがありますか?という率直な質問を投げかけました。「はい」と答えた人は82.7%。そのうち「実際に辞めた」人は56.8%と過半数にのぼる結果です。なぜ、介護職は「長く続けられない」のでしょうか?
介護の仕事を長く続けられない3大理由は「体力」「給与」「人間関係」
体力が持たない
体力面でキツイという意見の中でも、介助が重労働であることに加え、勤務時間の長さ、夜勤がある辛さを訴える声が目立ちました。
給与に満足できない
労働量に対して給与が低いという意見が圧倒的です。
職員同士の人間関係
労働環境や責任の重さは、やがて職員のストレスとなり、それがサービスの低下、人間関係の悪化といった悪循環に繋がってしまっていることがわかります。
「育児と両立できない」25〜34歳世代にとって過酷
回答者の中でも、出産・育児で子育てに特に手のかかっている25〜34歳世代においては、「長く続けられない」と感じる人の割合が94%。ほぼ全員が無理だと感じているのです。実際に辞めた人の割合も67%に上ります。
「体力的にきつい」、「夜勤があり労働時間が不規則」、また利用者ごとの“担当制”が多いため「子どもの病気などで休むと同僚に迷惑がかかり、休み難い」といった介護の職場の状況は、育児と両立するには非常に困難だと感じているようです。
介護職ならではの「長く働けない」理由も・・・
上位の理由以外にも、介護職ならではの理由が寄せられました。
社会福祉とビジネスの矛盾が許せない
介護は社会福祉。しかし、ボランティアではなくサービスである以上、利益を得なければ事業者は職員に給与を支払うことも介護の質を維持向上することもできません。事業者と職員の理解共有を進めていく必要がありそうです。
責任の重さ、人の最期との直面
利用者の自立支援を目指してケアを行っても、思ったような成果やご家族の理解を得られない。また人の人生の最期に直面する仕事であることに、責任の重さを感じるという意見もありました。
責任を要する仕事でありながら、給料が上がらないために慢性的な人手不足が解消されず、労働時間や体力面での負担が増える。先行きが見えなずに長く働くイメージがつかない、という本音が浮き彫りになる結果でした。
次回は、それでも「長く働ける!」と感じている介護職員の方々の声にフォーカスします。
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