14年の介護キャリア、100箇所以上の様々な施設を知る藤井寿和さんが「介護の現場で長く楽しく働くヒケツ」をアドバイスするシリーズ。
今回は、他職種への意見の仕方に悩む、リスさんからの相談です。
看護職の人に意見できない
意見を出そうとする姿勢がすばらしい!
リスさんの言う通り、医療は治療に、介護は生活やその方らしい人生に視点をおいてます。これはどちらが正しいということではなく、利用者の意思や目標に向かうための手段として、何がその時のベストなのかを出し合うことが大切ですよね。ですから、それを理解して介護側の意見を出そうと葛藤するリスさんの姿勢は、素晴らしいと思います。
相違のある多面的な考え方の中で、利用者視点でより良い方法を、みんなで支援していきましょう。
他職種に意見する際のポイントは2つ
介護側の意見を他職種に理解してもらうには、以下のポイントをおさえつつ、経験を通して訓練していく必要があります。先輩の良いところを真似したり、日常の事例をもとにアドバイスを受けるともっと良いと思いますよ。
ポイント1:介護の視点ならではの気付きをシェアしよう
他職種の方に意見する際のポイントは、「看護師が把握していない、介護の視点でみた情報を幾つか提供すること」その際に「根拠を明確に伝えること」です。
利用者が置かれている環境や意思をどの職種より多くもっているのが介護職員です。「医師や看護師に見せない一面に気づいて、共有しよう」という意識を常に持ちましょう。リスさん発信の介護視点の情報があればある程、利用者その人に対してより深い介護サービスを提供することができます。
ポイント2:意見には根拠をそえる
何かを意見する際には、「根拠を明確に伝えること」が効果的です。とは言え、これは誰にとっても簡単なことではありません。私自身にとっても未だに課題で、日々訓練しています。下記の「私が実践していること」を参考にしてみてください。
大切なのは、思いを発信すること
他職種に意見する上でのポイントをいくつかアドバイスさせていただきましたが、正直なところ、人に思いを伝えるのに、「上手な言葉」は必要ないと私は思っています。なかなか上手くまとまらなくても、一生懸命に利用者のことを考え、その思いをどんどん発信していけば、必ず伝わります。どんな職種であれ、利用者を思う気持ちはみんな一緒ですからね。
それぞれの職種が責任を持って意見を発信する。その積み重ねによって、チームとしての信頼関係も生まれ、お互いがお互いを認めることでとても素敵な介護ができると信じています。
藤井 寿和 (合同会社福祉クリエーションジャパン代表)福祉業界に「つながり」をクリエイトするをコンセプトに、介護の現場と異業種をつなぎ、介護サービスの向上のための様々な事業を手掛ける。 社会参加型デイサービス 運営サポート/レクリエーション介護士 公認講師(東日本エリア)
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