介護職員にとっては身近なものであるにも関わらず、その難解さから敬遠されがちな介護保険。実際に現場で働いている方は、介護保険についてどのようなイメージを持っているのでしょうか。介護職員を対象にアンケートを行いました。
「介護保険の知識が不足している」と感じる職員は6割以上
「介護保険について知識が不足していると感じたことはありますか?」という質問には、6割以上の職員が「知識が不足している」と思うことがある、と答えました。
2015年4月には介護保険法の改正が行われました。特養の入居基準の引き上げやデイサービス報酬の減算など、業務に及ぼす影響は多岐に渡っています。しかし「改正内容について理解している」と答えた職員は5割弱という結果に。「ほとんど理解していない」という方も3割おり、介護保険が実務となかなか結びつかない現状が伺えます。
「利用料金」「サービス内容」「処遇改善」についての知識が必要と感じている
では実際に働いていて「知識が足りない」と感じるのはどのような場面でしょうか?
アンケート結果によると、「利用料金」「サービス内容」「処遇改善」についての知識が必要と感じる職員が多くいらっしゃいました。実際の声を見てみましょう。
「利用者から負担額など相談された際の知識が足りない」方の声
「勤務先の介護サービス事業内容に関する知識が足りない」方の声
「処遇改善に関する知識が足りない」方の声
介護保険について知識を深めたい職員は約7割。でも実際に勉強したのは2割強?
このように「介護保険に関する知識が足りない」と感じる方が多い中では、「知識を深めたい」と考えている職員は多く、全体の約7割にのぼっています。
しかし「知識をつけるために努力をしたことがありますか?」という質問をすると、「勉強会を開く」「セミナーに参加する」等、何らかのアクションを起こした経験がある方は、25%という結果に。
アンケート結果から「介護保険なんて自分の仕事には関係ない!」というより、「関心はあるけど勉強する機会をもつことができていない」という方が多いと推測されます。
介護保険はとっつきにくいため、「日々の業務に追われている」「周りに理解している人がいないので聞くことができない」「そもそもどこから始めていいか分からない」などの理由から、学習を開始することがなかなか難しいと思われます。そのため、職員の自助努力に加え、施設や事業所が適宜説明したり勉強会を開催するなど、介護保険について積極的に理解を促していくことも今後は必要になるのではないでしょうか。
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