レクリエーションはご利用者様にとって、心身の活性化に繋がる有効なプログラムですが、提供する介護職員にとっては悩みの種でもあります。 そこで、実際の介護現場で人気があるものや、盛り上がるもの、動けない方でも参加可能なものなどをいくつかご紹介します!
大勢で盛り上がれる!チーム戦におすすめ
段ボール列車でお手玉投げ
(1)段ボールの蓋を閉じてガムテープなどで貼り、蓋の中央にカッターで穴を開けます。
(2)穴が上になるように段ボールを床に置き、段ボールを縦に3つ繋げて、先頭の段ボールに長い紐をつけます。
(3)ご利用者様を2チームに分け、両チームの間にスペースをあけてチームごとに横一列になって座ります。ご利用者様1人につきチームごとに色分けなどをしたお手玉2〜3個を手渡しておきます。
(4)スタートの合図で職員が紐を引っ張って段ボールをご利用者様の先頭から最後尾に向かって引っ張っていき、ご利用様は穴をめがけてお手玉を投げます。(各チームに1人ずつ職員が補助に入ってください)
(5)終了の合図で投げるのをやめ、職員がチームごとにお手玉の数を同時に数えていきます。箱に入ったお手玉の数が多いチームの勝ちです。
ポイント
・段ボールを引っ張る職員は、ご利用者様のADLに合わせて速度や動きを変えます。
・「鈍行列車」「快速電車」「新幹線」などの呼び名で、動く速度を変える、往復をする、手足の不自由な方の近くに近づくなどのアレンジを加えるのもおすすめです。
傘に向かって投げ入れろ!
(1)傘を開いて逆さまにして、傘の先端を小さめの段ボール箱に入れます。
(2)チームごとに傘を囲むように座り、投げ入れる玉を全員に同じ数だけ配ります。
(3)スタートの合図で傘に向かって玉を投げ入れ、終了の合図で傘に入っている玉を数えます。玉の数が多いチームの勝ちです。
ポイント
・段ボールは傘が安定しないくらいの大きさが良いです。
・投げ入れる玉はお手玉や新聞紙を丸めたものなど、安全なものであれば何でも大丈夫です。
・重みのある玉だと傘が不安定になりやすく、盛り上がります。
1対1の勝負!個人戦におすすめ
テーブルカーリング
(1)長テーブルを用意してください。テーブルの中央あたりから奥に行くほど高い点数になるように、ビニールテープなどで点数をつけます。
(2)ご利用者様には、点数がついていない方のテーブルの角に来ていただき、裏返しに置いた紙コップをテーブルの上で滑らせて貰います。
(3)紙コップが止まった場所の点数がご利用者様の点数となり、より高い点数を取ったご利用者様の勝ちになります。
ポイント
・ご利用者様の状態により、テーブルから紙コップが落ちやすい場合は、テーブルの両サイドを段ボールなどで落ちないように工夫しましょう。
ペットボトルで割り箸競争
(1)同じ形状のペットボトル(取っ手付きのボトルがおすすめ)を2本用意して、割り箸を割って各ボトルに同じ数だけ入れます。(割り箸は何本でも良いですが、ペットボトルの半分から3分の2くらいが割り箸でいっぱいになるくらいが目安)
(2)スタートの合図でボトルを逆さまにして振り、中に入っている割り箸を早くかごに出し切った人の勝ちです。
ポイント
・使用するボトルによって、割り箸が出やすいものと出にくいものがあるため、ゲーム開始までに職員が試してみて下さい。
・ペットボトルは両手で持っても片手で持っても良いですが、身体が不自由なご利用者様の状態に合わせ、必要に応じて職員が手伝って下さい。
牛乳パックでバランスゲーム
(1)牛乳パックを筒状のままハサミで切ってジェンガのパーツをたくさん作ります。
(2)幅は均一ではなく、斜めになっているものが混ざっているとバランスが取りにくく、重ね甲斐があります。
(3)ご利用者様からパーツを1つずつテーブルに積んでいただき、崩さずに高く積んだ人の勝ちです。
ポイント
・あらかじめ牛乳パックのパーツをたくさん作っておきます。
・個人戦でも出来ますし、1人が1つずつパーツを積んでいくチーム戦でも出来ます。
寝たきりの方も参加可能!動かずに楽しめる
都道府県ゲーム
(1)ホワイトボードに日本地図を描き、県境の線を引いておきます。
(2)出題者の職員は都道府県をランダムに選んで特産物や特徴などを挙げていき、ご利用者様から都道府県を当てていただきます。
言葉探しゲーム
(1)ホワイトボードに四角のマス目をたくさん作り、ひらがなや漢字、カタカナなどどれか1つの表記を選んでランダムにマス目に文字を入れていきます。
(2)「魚の名前」や「果物の名前」など、探す言葉のテーマを決めて、縦、横、斜めにどんな名前が隠れているかを探して〇で囲んでいきます。
ポイント
・あらかじめ、「〇個探してみましょう」という指定をしておきます。
・文字を配置する際は、テーマに沿った言葉が出来上がるよう注意しましょう。
・マス目を紙に書いてコピーをして、1人ずつに配っても良いです。
マッサージ
(1)ご利用者様の手や足などを温めた職員の手で優しくマッサージをしたり、語り掛けたりしましょう。
(2)リラックス効果があり、継続しているうちに寝たきりの方でも反応が現れてくる場合があります。
レクリエーションで大切なこと
レクリエーションを行う上で大切なのは、職員がご利用者様と一緒に楽しみ、場の雰囲気を盛り上げる事です。
どんなに盛り上げるレクリエーションでも、職員がほとんど参加しなかったり、誰も応援や盛り上げる事をしなかったりすると、つまらないものになってしまいます。
身体をうまく動かせない方や、健康上の理由でレクリエーションに参加できない方もいるかと思いますが、近くで見学していただく事や声で参加していただく事は可能だと思います。
レクリエーションは動ける人だけでなく、ご利用者様すべてが主体である事を忘れないようにしましょう。
霜鳥香織(デイサービス 生活相談員)身内が要介護状態になった事をきっかけに福祉の道を志し、福祉系大学へ進学。卒業後、療養型病棟、デイサービス、グループホーム、有料老人ホームにて、介護士、生活相談員、管理者として従事する。自立支援、利用者主体を念頭においたサービス提供を心がけている。介護職員初任者研修スクールの講師も担当する。
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