前回記事「介護の仕事を長く続けられない理由」に続くアンケート調査結果レポート後編。
介護職を「長く働き続けられる」と感じている人を分析すると、職種、経験年数などが大きく関わっていることがわかりました。
「長く続けられる」と思う人の過半数は、介助・へルパ―以外の仕事
アンケート回答者の職種を比較すると、「長く続けられない」と答えた人の現在の職種は「介護職・ヘルパー」が施設系・訪問系合わせて53%。いわゆる介助の仕事をしている人が過半数を超えました。
これに比べると、介護の仕事を「長く続けられる」と感じている人は、ケアマネジャーや介護福祉士、生活相談員など介護の上位資格を取得し、責任職のポジションであったり、リハビリ職、事務職といった介助以外の業務に就いている割合が高いという結果でした。
前記事「長く続けられない理由」のダントツ1位が「体力がもたない」であることの背景には、この職種(仕事内容)の違いも大きく関わっていることが推察できる結果です。
「長く続けられる」と思う人の過半数は、勤続3年以上
先述の介護の上位資格の取得には実務経験が条件で、ほとんどの場合3年以上が必要です。 「長く続けられる」と答えた人の過半数が経験3年以上であるのに対し、「長く続けられない」と回答した人は、66%が3年以内に離職しています。
介護の仕事は実務経験を積み、資格を取得することで、「介助」以外の仕事にも選択肢を拡げられるのですが、「長く続けられない」と思う人は、その取得条件となる3年を待たずに離職しているケースが多いのではないか、ということが考えられます。
「長く続けられる」と思えるのは子育て前か、子育てを終えた世代?
介護の仕事を「長く続けられる」と思う人とそうでない人を比較すると、年齢層にも大きな違いがみられます。
「長く続けられない」と答えた人の年齢は、25〜29歳および30〜34歳が合わせて56%。ちょうど出産〜子育て世代が過半数を占めるということになります。一方で「長く続けられる」と思う人は、丁度この世代の前後である21〜24歳と35〜39歳がそれぞれ突出しています。
前記事でも、介護の労働環境の現状は、子育て世代が一から実務経験を積み重ねていくには厳しい、ということを裏付ける結果です。
「長く続けられる」と思う人は、人間関係が良好!?
さて、職種や経験年数の他に、「長く続けられる」と答えた人にはもう一つ共通点がありました。それは「職員同士、また利用者との人間関係が良好」だと感じていることです。
利用者との良好な関係の中に「仕事のやりがい」を感じている
「職員同士の人間関係が良好」だから続けられる
これまでの結果を踏まえると、介護の資格を長く続けられる人は、「子育て前、または子育てを終えた世代が有利」「実務経験を積んで、上級資格取得や自分にあった仕事内容を選ぶことができた人」、そして「職員や利用者との良好な人間関係づくりによって、働きやすい職場環境を得られた人」ということが言えそうです。
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