認定アロマテラピーインストラクターの清田名奈子先生に伺う第2弾。前記事ではそのメカニズムを知ることで、「高齢者ケア(リラックス&脳活性化)」によいとわかったアロマテラピー。今回は「介護職員自身のケア」に役立つアロマの魅力と、介護職員の方がアロマを使う際の注意点についてお話を伺いました。
介護職員にこそ使ってほしいアロマの万能力
― 前回の記事では、高齢者ケアに役立つアロマのメカニズムについてお話を伺いましたが、介護の仕事をしている方のセルフケアにも、アロマは役立つでしょうか。
むしろ、介護職の方に大いに活用していただきたいと思います。認知症など様々な症状の方に接するお仕事なのでストレスがたまると思いますし、夜勤があったりすると自律神経が乱れ、疲れが抜けないなどバランスの崩れやすいお仕事です。アロマを使ってリラックスやリフレッシュのひと時を作るだけで、ずいぶん変わると思います。
また、アロマには殺菌効果の強い精油もあります。デイケアなど人の出入りの激しい場所ではマスクに1滴たらして風邪の感染を防ぐことができます。使い方は簡単なのに、万能なんですよ。
アロマを使う際の注意点
信頼できるメーカーの精油を使う
― 高齢者のケアや自分のために、介護職員がアロマを使う際に気を付けるべきことは?
安すぎるものは注意が必要です。特に百円均一で売られているのは精油ではなく、香り液です。生活雑貨店などで多く扱われている生活の木やニールズヤード、カリス成城などは、価格も手ごろで信頼されています。また、同じ精油名でもメーカーによって香りに特徴があり、好みが分かれます。なるべく、店舗を構えている店で香りを嗅いでみて、好きな物を選ぶことをおすすめします。
必ず薄めて使う
精油の原液は薄めて使いましょう。アロマに慣れていれば大丈夫なのですが、高齢者の方のお肌は敏感で肌荒れを起こす場合があると言われています。また、レモンとオレンジは光毒性といって、光にあたるとシミの原因になる成分があります。それを付けた直後は、あまり屋外に出かけない方がいいですね。
困った時のラベンダー
― 高齢者の方の香りの好き嫌いは考慮できますか?
好きな香りかどうかを嗅いでもらうのが一番良いですが、高齢者は嗅覚が鈍くなっているので、香りを感じなくなっている方もいらっしゃいます。でも、芳香成分は脳を刺激していますから、「よくわかんないわ」と言われてもダメとは思わないでください。そんなときは本当にベーシックで、嫌いな人がいないラベンダーやオレンジを使ってあげてください。
初心者で、「最初の一本を買いたい!でも何を買えば良いのかわからない」と言うのであれば、ラベンダーが良いですよ。間違いないです(笑)。実際に業界でも「困った時のラベンダー」と言われています。
介護の仕事をされる方へ
アロマテラピーを取り入れることで、自分もいい状態で仕事に向かえるし、仕事のスキルアップの一つのツールにしていけます。ぜひ気軽にはじめてみてくださいね。
清田名奈子(エステ・アロマサロンnijiiro オーナーエステティシャン)エステティシャンとして17年のキャリア。施術人数は25,000人を超える。エステ、アロマ、ヨガの認定講師資格を持ち、美容専門学校や職業訓練校の講師業など幅広く活躍中。自身が運営するプライベートサロンnijiiroでは、症状に合わせた高い技術に定評があり、リピーターも多い。
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